商店街再生事例10選|成功のポイントと活性化アイデアを解説

商店街再生事例10選|成功のポイントと活性化アイデアを解説のアイキャッチ画像
都会のオフィス・ビル群

商店街再生が求められている理由

商店街 再生 求められている 理由 出典:PIXTA

 

シャッターが下りたままの店舗が並ぶ通りを目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。かつて地域の暮らしを支えていた商店街が、なぜこれほど各地で厳しい状況に置かれているのか、まずはその背景を整理していきます。

商店街の衰退が進む背景

商店街の衰退には、いくつもの要因が重なっています。少子高齢化による地域全体の人口減少や消費の縮小に加え、郊外の大型ショッピングモールやネット通販の普及によって、買い物客の行動パターンそのものが変化してきたことが大きな要因といえるでしょう。

こうした変化は、商店街に並ぶ個人店にとって特に厳しいものとなります。大型店のような価格競争力や品揃えを持つことが難しいうえ、店主の高齢化が進み、後継者が見つからないまま廃業を選ばざるを得ないケースも目立ちます。商店街全体の魅力や利便性が徐々に失われていくことで、来街者がさらに減るという悪循環に陥りやすいのが実情です。

シャッター街が増加している要因

「シャッター街」と聞くと、単に景気が悪いだけの通りをイメージしがちですが、実際にはもう少し構造的な問題が絡んでいます。空き店舗が一定数を超えると、通り全体の賑わいが失われ、残っている店舗の集客力まで下がってしまうためです。

さらに、空き店舗の所有者が必ずしも活用に前向きとは限らない点も、シャッター街化を進める要因の一つです。賃貸に出さず物件を保有し続けるケースや、後継者不在のまま店主が高齢のため事業継続の判断ができないケースなどが積み重なると、商店街の中に空き店舗が点在したまま放置されやすくなります。結果として、新規出店を検討する事業者にとっても「入りにくい商店街」という印象が定着してしまう場合があるでしょう。

商店街再生が地域活性化につながる理由

商店街は駅前や街の中心部など、アクセスの良い立地に位置していることが多く、単なる買い物の場にとどまらず、地域住民が自然に顔を合わせる場としての役割も担ってきました。この機能を取り戻すことは、地域全体の活性化に直結すると考えられています。

商店街に人が集まるようになれば、周辺の不動産価値の維持や新規出店の呼び込み、地域コミュニティの再生にもつながっていきます。空き店舗を子育て支援や高齢者支援などの拠点として活用する事例も多く、商業機能だけでなく地域の生活インフラとしての価値を持たせる動きも広がっています。

商店街再生の成功事例

商店街 再生 成功事例 出典:PIXTA

 

「うちの商店街では何をすればいいのか」と考えたとき、まず参考になるのが全国の再生事例です。ここでは、空き店舗の活用や地域の担い手による取り組みを軸に、商店街再生に成功した事例を紹介します。

福岡県大牟田市:空き店舗リノベーションでまちのファンをつくる

福岡県大牟田市の商店街では、空き店舗を活用した改装事業に取り組み、まちなかの活性化に成功しています。改装にはプロの事業者だけでなく、一般の参加者も加わるDIY形式のイベントを実施し、飲食店の新規出店やカフェの開業、マルシェの開催などを積み重ねていきました。

こうした取り組みは新聞やSNSでの発信、クラウドファンディングによる資金調達とも組み合わされ、商店街への出店希望者やファンの増加につながっています。空き店舗を「負の資産」ではなく「挑戦できる場」として捉え直した点が、成功のポイントといえるでしょう。

群馬県前橋市:学生のシェアハウスで日常的な賑わいを創出

群馬県前橋市の商店街では、空き店舗を活用して学生向けのシェアハウスを整備し、地元商店主が有志として学生をサポートする体制をつくりました。地域の大学と商店主が協働することで、若者離れが進んでいた商店街に生活者としての若い世代を呼び込むことに成功しています。

学生が日常的に商店街で暮らすようになったことで、イベント時だけでない継続的な賑わいが生まれた点が特徴です。学生たちが自治会活動や商店街のイベントに参加するようになったことも、地域にとって大きな変化となりました。

兵庫県神戸市:若手商業者によるリブランディング

兵庫県神戸市の商店街では、若手の商業者が中心となって青年部を立ち上げ、商店街のリブランディングに取り組みました。地元のクリエーターを集めたイベントをきっかけに、クリエーターの作品を扱うアンテナショップが誕生し、そこから商店街全体のコンセプトづくりが進んでいます。

隣接するエリアとの違いを打ち出すコンセプトを掲げ、酒にまつわるイベントや子育て支援施設の開設など、次々と新しい取り組みを展開してきた点が印象的です。商店街の未来を考える若手の担い手が集まったことが、変化の起点になったといえるでしょう。こうした事例からは、商店街の再生を支えているのが制度や予算だけでなく、そこで働く人たちの熱意であることも見えてきます。

※“ジチタイワークス「商店街活性化で地域の魅力を発信!10個の成功事例から学ぶグッドアイディア”参照

シャッター街活性化の成功事例

シャッター街 活性化 成功 出典:PIXTA

 

「うちの商店街はもう手遅れかもしれない」と感じている方にこそ知ってほしいのが、空き店舗率が極めて高かった状態から立て直した事例です。深刻なシャッター街から人が集まる通りへと変化を遂げた取り組みを見ていきましょう。

福島県会津若松市:空き店舗7割から来街者30万人超へ

福島県会津若松市の商店街では、かつて空き店舗が7割にものぼる深刻な状況にありました。しかし、蔵や木造商家、洋館といった歴史的な建物を活かした景観づくりに取り組み、統一感のある街並みを地道に整えていきました。

こうした活動を15年近くにわたって継続した結果、街並みを目当てに訪れる観光客が増え、新たな出店を呼び込む好循環が生まれています。地元の商店も新しい商品開発に取り組むなど、長期的な視点での積み重ねが来街者30万人超という結果につながった好例です。

秋田県大仙市:地域資源を束ねたブランドづくり

秋田県大仙市の商店街では、「地元の親子三代が馴染みの店で暮らせる場所」というコンセプトを掲げ、商店街全体のブランディングに取り組みました。地域の交流拠点となるアンテナショップ兼カフェを整備し、地域の子育て世代をターゲットにした新商品を統一ブランドで展開しています。

SNSを活用した発信を続けたことで、地域住民だけでなく市外や県外からの来街者を呼び込むことにも成功しました。商店街単体でのPRにとどまらず、地域全体の魅力を一つのブランドとして束ねた点が、シャッター街からの脱却につながっています。

北海道札幌市:子ども食堂で「頼れる商店街」へ

北海道札幌市の商店街では、空き店舗を活用してひとり親家庭の子どもを対象とした食事と学習の支援拠点を開設しました。地域の大学の学生が運営に参加し、栄養面は大学の先生やゼミ生、調理はボランティア、学習支援はNPO法人が担うという協力体制を築いています。

運営資金を確保するために、オリジナルグッズや地域の特産品を販売するイベントも定期的に開催されました。商業機能の再生だけでなく、地域の暮らしを支える場としての価値を商店街に持たせたことが、この事例のポイントといえるでしょう。

※“ジチタイワークス「商店街活性化で地域の魅力を発信!10個の成功事例から学ぶグッドアイディア”参照

商店街活性化の面白いアイデア

商店街 活性化 面白い アイデア  出典:PIXTA

 

成功事例をそのまま真似するのが難しくても、部分的に取り入れられるアイデアはたくさんあります。ここでは、比較的低コストで始められる活性化のアイデアを紹介します。

スタンプラリーで回遊を促す

商店街の複数店舗を回ってスタンプを集めるスタンプラリーは、定番でありながら効果の高いアイデアです。買い物客が商店街の中を回遊するきっかけをつくれるうえ、開催にかかるコストも比較的少なく済むため、多くの商店街で取り入れられています。

商店街全体を「100円ショップ」に見立てる

商店街の各店が店先に100円商品を用意し、通り全体を一つの100円ショップに見立てるイベントも人気です。山形県で始まったこの取り組みは全国に広がり、新規顧客を各店舗の中まで誘導し、まち全体を歩いて回ってもらう仕掛けとして機能しています。

学生と連携した商品・イベント開発

学生と協力して名物商品を開発したり、商店街のプロモーションを企画したりする取り組みも各地で広がっています。若い世代ならではの発想やSNSでの発信力が加わることで、メディアに取り上げられやすくなる効果も期待できるでしょう。

デジタルツールで商店街を「見える化」する

来街者の人の流れをセンサーで計測し、販売戦略や人員配置に活かす取り組みや、地域限定のデジタル通貨を導入して地域内でお金が循環する仕組みをつくる取り組みも登場しています。プライバシーに配慮したデータ収集や、既存の紙のポイントカードからの移行しやすさなど、導入のハードルを下げる工夫が広がっている点も特徴です。

※“ジチタイワークス「商店街活性化で地域の魅力を発信!10個の成功事例から学ぶグッドアイディア”参照

商店街活性化の失敗事例から学ぶポイント

商店街 活性化 失敗事例 出典:PIXTA

 

成功事例を見ていると順調に思えるかもしれませんが、実際にはうまくいかなかった取り組みも数多く存在します。ここでは、よくある失敗のパターンを確認しておきましょう。

単発イベントで終わってしまう

一度きりの派手なイベントを開催しても、継続する仕組みがなければ、その場限りの賑わいで終わってしまいます。イベント開催後に来街者数が元の水準に戻ってしまうケースは少なくありません。日常的な賑わいをつくるには、イベントを「入り口」として、その後も商店街に足を運びたくなる理由をつくり続ける視点が必要です。

地域住民の参加が少ない

商店街側だけで企画を進めてしまい、地域住民が「自分たちのイベント」だと感じられないまま終わってしまうことがあります。住民の声を聞かずに実施した企画は、たとえ内容が良くても定着しにくい傾向があるでしょう。

ターゲット設定が曖昧

「とにかく多くの人に来てほしい」という漠然とした目的のまま企画を進めると、誰にとっても中途半端な内容になりがちです。子育て世代なのか、学生なのか、観光客なのかによって、有効な施策は大きく変わってきます。

情報発信が不足している

どれほど良い取り組みを行っていても、その情報が届かなければ来街者は増えません。地域の広報誌やSNSなど、複数のチャネルを使い分けて継続的に発信する体制がないまま終わってしまう商店街も見られます。

商店街再生を成功させる共通ポイント

商店街 再生 成功 ポイント 出典:PIXTA

 

ここまで見てきた成功事例と失敗のパターンを踏まえると、商店街再生には共通する押さえどころがあることが見えてきます。最後に、再生を実現するための共通ポイントを整理します。

地域住民を巻き込む

商店街の担当者だけで進めるのではなく、企画段階から地域住民の意見を取り入れることが再生の土台になります。住民が「自分たちの商店街」だと感じられるようになると、継続的な参加や口コミによる広がりも生まれやすくなるでしょう。

若者や学生の力を活用する

学生や若手商業者とのコラボレーションは、新しい発想やSNSでの発信力を商店街にもたらします。若い世代が日常的に商店街に関わる仕組みをつくることで、イベント時だけでない継続的な賑わいにつながっていきます。

継続的な情報発信を行う

一度の発信で終わらせず、SNSや地域メディアを通じて取り組みの経過を継続的に伝えることが重要です。地道な発信の積み重ねが、地域外からの来街者の呼び込みにもつながっていきます。

地域独自の魅力を打ち出す

どこにでもあるような施策ではなく、その土地ならではの歴史的な街並みや特産品、地域資源を活かしたコンセプトを打ち出すことが、他地域との差別化につながります。

行政や企業と連携する

商店街単独での取り組みには限界があるため、行政の補助制度や地元企業との連携を活用することも欠かせません。国の支援策や専門家派遣の仕組みを活用しながら、地域に合った事業計画を立てていくことが求められます。

商店街再生事例を参考に地域に合った施策を考えよう

商店街 再生 事例 地域 出典:PIXTA

 

商店街再生を成功させるためには、単にイベントを開催するだけでなく、地域課題に合わせた施策を継続的に実施することが重要です。全国の成功事例を見ると、地域住民や学生、行政、企業など多様な主体が連携しながら独自の魅力を発信している共通点があります。本記事で紹介した商店街再生事例や活性化アイデアを参考に、地域に合った取り組みを検討してみてください。

Mail Magazine

みなさまのセカンドキャリアを応援する メルマガです。

不動産・建設業界の転職の面白さや魅力を リアルに語る記事をお届けします。

Download

メディアの概要資料やsteerのご紹介資料を ダウンロードしていただけます。

資料ダウンロード・ページへ移動

Contact

取材のご依頼、メディアへのお問い合わせは こちらからお願いいたします。

お問い合わせページへ移動
都会のオフィスビル群