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持続可能なまちづくりとは?課題や事例から実現のポイントを解説

作成者: steer株式会社|Aug 28, 2026, 8:33:40 AM

持続可能なまちづくりとは

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持続可能なまちづくりとは、今の暮らしやすさを保ちながら、将来の世代も安心して暮らし続けられる地域をつくっていく考え方です。ここでは、その基本的な意味や、国際的な目標であるSDGsとのつながりについて解説します。

SDGs目標11との関係

持続可能なまちづくりは、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の目標11「住み続けられるまちづくりを」と深く結びついています。この目標は、誰もが安全で災害に強く、環境負荷の少ない都市や居住環境をつくることを掲げたものです。具体的には、住宅の整備や公共交通の充実、緑地の保全など、暮らしの土台となるインフラや環境を対象にしています。日本でも自治体の総合計画や企業のCSR活動の中で、この目標11を軸に据えた取り組みが広がっており、まちづくりを語るうえで欠かせない共通言語になっています。

なぜ持続可能なまちづくりが求められているのか

背景にあるのは、人口減少や環境問題など、これまでの拡大を前提としたまちづくりの手法だけでは対応しきれない課題が増えていることです。かつては人口増加に合わせて道路や住宅を広げていく発展の仕方が主流でしたが、今は限られた資源や財源をどう活かすかという視点が欠かせません。加えて、気候変動による自然災害の激甚化も、まちのあり方を見直す大きな要因になっています。こうした状況を受けて、行政だけでなく企業や住民も当事者として関わる必要性が高まっているのです。

持続可能なまちづくりが目指す社会

持続可能なまちづくりが目指すのは、経済・社会・環境という3つの側面がバランス良く成り立つ地域社会です。経済面では地域経済の活性化や雇用の維持、社会面では誰もが暮らしやすい仕組みづくり、環境面では自然環境や資源への配慮が求められます。これらは切り離して考えるのではなく、相互に関連させながら進めていくことが大切です。実際に、こうした取り組みの現場では、自治体職員や企業の担当者一人ひとりが試行錯誤を重ねながら、地域に合った形を模索しています。

持続可能なまちづくりが必要とされる背景

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なぜ今、多くの自治体や企業がまちづくりの持続可能性に注目しているのでしょうか。ここでは、その背景にある社会的な課題を4つの視点から見ていきます。

少子高齢化と人口減少の進行

日本は世界でも類を見ない速さで少子高齢化と人口減少が進んでおり、多くの地域でこの傾向が顕著になっています。人口が減ると、税収の減少や働き手の不足につながるだけでなく、地域の活気そのものが失われていく場合があります。特に地方部では、若い世代の流出によって高齢化率がさらに高まる悪循環に陥りやすい状況です。こうした人口構造の変化に対応するためには、限られた人材や資源を効率的に活かしながら、暮らしやすさを維持する工夫が欠かせません。

地域経済の衰退と担い手不足

人口減少と並行して、地域経済の衰退や後継者不足も深刻な課題となっています。商店街のシャッター化や、地場産業の縮小はその代表的な例です。特に中小企業や個人事業主が多い地域では、経営者の高齢化に伴い事業承継が進まず、廃業を選ばざるを得ないケースも見られます。こうした状況が続くと、地域内での雇用機会が減り、さらに人口流出を招くという負のスパイラルにつながる場合があります。地域経済を支える担い手をどう確保していくかは、まちづくり全体を考えるうえで避けて通れないテーマです。

インフラの老朽化と維持管理の課題

高度経済成長期に整備された道路や橋、上下水道などのインフラが、全国的に老朽化の時期を迎えています。これらを更新するには多額の費用がかかる一方で、自治体の財政は厳しさを増しており、すべてを同じ水準で維持し続けることが難しくなっている地域も少なくありません。そのため、優先順位をつけて計画的に更新する「インフラマネジメント」の考え方が重視されるようになっています。老朽化への備えは、住民の安全な暮らしを支えるうえで欠かせない視点です。

自然災害への備えの重要性

近年、地震や台風、豪雨などの自然災害が頻発し、まちづくりにおける防災の重要性が一段と高まっています。ハザードマップの整備や避難所の確保といった従来の対策に加えて、災害に強い都市構造そのものをつくる視点が求められるようになりました。例えば、河川沿いの土地利用を見直したり、再生可能エネルギーを活用して停電時のリスクを減らしたりする取り組みが各地で進んでいます。防災と日常の暮らしやすさを両立させることが、持続可能なまちづくりの重要な要素の一つです。

持続可能なまちづくりにおける主な課題

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持続可能なまちづくりを進めるうえでは、いくつもの現実的な課題に向き合う必要があります。ここでは、特に多くの地域で共通して見られる5つの課題を紹介します。

財政負担の増加

インフラの維持更新や高齢者福祉など、まちづくりに必要な支出は増加傾向にある一方、税収の伸びが追いつかない自治体が多いのが実情です。限られた予算の中で、道路の補修や公共施設の建て替えといった投資をどう優先づけるかは、多くの自治体が抱える悩みです。民間資金やノウハウを活用するPPP(官民連携)やPFIといった手法も、財政負担を軽減する選択肢として注目されています。

公共交通の維持

人口減少や自家用車の普及により利用者が減少する中、バスや鉄道といった公共交通の維持は年々難しくなっています。特に地方部では、路線の廃止や減便が、高齢者や車を持たない住民の移動手段を奪ってしまう場合があります。こうした課題に対応するため、デマンド型交通(予約制の乗り合い車両)の導入や、複数の交通手段をまとめて検索・予約できるMaaSの仕組みを取り入れる地域も増えてきました。移動の自由をどう確保するかは、暮らしの質に直結する課題です。

空き家や空き地の増加

人口減少や相続の問題などから、全国で空き家や空き地が増加しています。放置された空き家は景観を損なうだけでなく、倒壊や防犯面のリスクにもつながりかねません。こうした状況を受けて、空き家バンクの運営や、リノベーションを支援する補助金制度を整える自治体が増えています。空き家を地域の資源として捉え直し、移住者向けの住居やシェアオフィスなどに再活用する動きも各地で広がっています。

地域コミュニティの希薄化

単身世帯の増加や近隣との関わりの減少により、地域コミュニティのつながりが薄れてきていることも大きな課題です。町内会や自治会の担い手不足、行事の縮小・廃止といった形で表れることが多く、いざという時の助け合いの機能が弱まる懸念があります。この課題に対しては、住民同士が気軽に交流できる場をつくったり、SNSなどのデジタルツールを活用して情報共有を活性化させたりする取り組みが進められています。

環境負荷の低減

まちづくりを進めるうえでは、環境への配慮も欠かせない視点です。エネルギー消費の増加やごみの処理量の多さは、脱炭素社会の実現を目指すうえで見過ごせない課題となっています。再生可能エネルギーの導入や、公共施設の省エネルギー化、資源循環の仕組みづくりなど、環境負荷を減らすための取り組みが各地で進められています。環境対策は一朝一夕には進まないため、長期的な視点を持って地道に積み重ねていく姿勢が求められます。

持続可能なまちづくりの取り組み事例

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ここでは、持続可能なまちづくりに関する実際の取り組み事例を紹介します。地域金融機関が地域の課題解決にどう関わっているのか、具体的なイメージをつかんでみてください。

横浜FG「地域の活性化」SDGsレポート

横浜フィナンシャルグループは、地域金融機関として地域や社会の課題解決に取り組む方針を掲げ、「まちをつくる」「ひとの流れをつくる」「しごとをつくる」という3つの切り口で地域戦略を推進しています。取り組みの一例として、横浜市と連携した脱炭素施策があり、スマートフォンアプリを通じたペーパーレス化やインターネットバンキングの活用促進によってCO2削減を後押ししています。また、神奈川県内の自治体向けに設立された官民連携のプラットフォームでは、児童が家庭の廃食用油を回収して次世代航空燃料に活用する環境教育プログラムも展開されており、地域全体を巻き込んだ活動として広がりを見せています。

 

※”横浜フィナンシャルグループ「地域経済成長への貢献」”参照

横浜銀行 地方創生ポータル

横浜銀行は、地域や社会の課題解決を通じて地域経済を活性化させ、自行の持続的な成長にもつなげる「地域戦略推進活動」を進めています。営業エリアをいくつかの地域本部体制に編成し、地域ごとのビジョン実現に向けた支援を行っている点が特徴です。地域社会の課題解決に関する取り組み件数を目標として掲げ、年々実績を積み重ねながら、地方創生に向けた活動を継続的に強化しています。

 

※”横浜銀行「地方創生への取り組み」”参照

横浜銀行 SDGsプロジェクトストーリー

横浜銀行では、取引先企業のサステナビリティ経営を支援するため、SDGsグリーンローンやサステナビリティ・リンク・ローンといった融資商品を通じたサポートを行っています。例えば、神奈川県内の製造業では、環境性能に配慮した新社屋の建設にあたってグリーンローンを活用し、地域社会への影響も考慮した施設づくりを進めた例があります。こうした金融面からの後押しは、企業単独では踏み出しにくい環境配慮の取り組みを後押しする役割を果たしています。

 

※”横浜銀行「SDGs・サステナブルソリューション プロジェクトストーリー」”参照

OMOTANコイン(秦野市・持続可能な地域づくり/横浜銀行)

神奈川県秦野市では、市と横浜銀行、地域通貨サービスを手がける企業、地元の商工会議所が連携し、2024年12月からデジタル地域通貨「OMOTANコイン」の運用を始めました。市内の加盟店で利用でき、消費や地域活動への参加に応じてポイントが付与される仕組みで、地域内でお金が循環しやすくなるよう設計されている点が特徴です。加盟店がコインを換金する際の振込手数料を市が負担したり、健康づくりのための歩数連動ポイントを用意したりするなど、地域経済の活性化と住民の暮らしやすさを同時に高める工夫が凝らされています。行政・金融機関・地元事業者が三位一体となって取り組んだ好例といえるでしょう。

 

※”PRTIMES「秦野市・横浜銀行・フィノバレーによるデジタル地域通貨「OMOTANコイン」サービス開始 40%還元キャンペーンも実施」”参照

持続可能なまちづくりを実現するポイント

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持続可能なまちづくりを絵に描いた餅で終わらせないためには、いくつかの実践的なポイントを押さえる必要があります。ここでは、実現に向けた5つの視点を紹介します。

行政と企業の連携を強化する

行政だけでは解決が難しい課題も、企業の技術力や資金力、ノウハウを組み合わせることで前進させられる場合があります。前述のOMOTANコインのように、自治体・金融機関・民間事業者が役割を分担しながら一つの仕組みをつくり上げる例は、その好例といえるでしょう。行政と企業がそれぞれの強みを持ち寄り、対等なパートナーとして連携する関係性を築くことが、持続可能なまちづくりを進める土台になります。

住民参加を促進する

まちづくりは行政や企業だけが主導するものではなく、そこで暮らす住民自身が主体的に関わることも重要です。ワークショップや意見交換会を通じて住民の声を計画に反映させたり、地域活動への参加のハードルを下げる仕組みを整えたりすることが求められます。住民が「自分たちのまち」という当事者意識を持てるかどうかは、取り組みが長続きするかを左右する重要な要素です。

デジタル技術を活用する

限られた人手や予算で効率的にまちづくりを進めるうえで、デジタル技術の活用は欠かせません。行政手続きのオンライン化や、地域通貨・キャッシュレス決済の導入は、住民の利便性を高めるだけでなく、地域内でのデータ活用にもつながります。デジタル化はあくまで手段であり、目的化しないよう、住民の暮らしにどう役立てるかという視点を持って導入を進めることが大切です。

防災と環境対策を両立する

防災対策と環境対策は、一見すると別々の取り組みに見えますが、実際には両立できる場面が多くあります。例えば、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた設備は、平常時の環境負荷低減と、災害時の非常用電源の確保という2つの役割を同時に果たします。こうした発想の転換によって、限られた予算をより効果的に活用できるようになります。

地域資源を活用する

その土地ならではの自然環境や歴史、文化、産業といった地域資源を活かすことも、持続可能なまちづくりを進めるうえで重要な視点です。外部から新しいものを持ち込むだけでなく、すでにある資源に光を当て、「その地域らしさ」を再発見することで、住民の愛着や誇りにもつながります。地域資源の活用は、観光や産業振興、コミュニティづくりなど、さまざまな形で応用できる可能性を持っています。

持続可能なまちづくりの今後の展望

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最後に、これから持続可能なまちづくりがどのような方向へ進んでいくのか、注目すべき3つのトレンドを紹介します。

スマートシティの普及

IoTやAIといったデジタル技術を活用し、都市機能を最適化する「スマートシティ」の取り組みが、全国各地で広がりを見せています。交通渋滞の緩和やエネルギー管理の効率化など、テクノロジーによって都市の課題を解決しようとする発想です。今後は大都市だけでなく、地方の中小規模の自治体においても、身の丈に合った形でのスマートシティ化が進んでいくことが見込まれます。

カーボンニュートラルへの対応

2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、まちづくりの分野でも脱炭素化への対応が加速していく見通しです。再生可能エネルギーの地産地消や、省エネルギー性能の高い建築物の普及、公共交通の電動化などが具体的な取り組みとして挙げられます。企業のSDGs経営への関心の高まりも追い風となり、金融機関による環境配慮型の融資商品も今後さらに広がっていくと考えられます。

地域ごとの特色を生かしたまちづくり

画一的な都市開発ではなく、それぞれの地域が持つ特色を生かしたまちづくりへの関心も高まっています。人口規模や産業構造、自然環境が異なる以上、成功事例をそのまま当てはめるのではなく、その土地に合った形にアレンジしていく視点が欠かせません。今後は、こうした「その地域らしさ」を軸にした取り組みが、持続可能なまちづくりの重要な潮流の一つになっていくでしょう。こうした現場では、まちづくりに関わる企業や自治体の担当者一人ひとりの工夫や思いが、地域の未来を形づくっています。

持続可能なまちづくりを進めて未来につながる地域を目指そう

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人口減少や高齢化、環境問題、地域経済の衰退など、現代のまちづくりにはさまざまな課題がありますが、行政だけでなく企業や住民が協力することで解決への道が開かれます。持続可能なまちづくりを実現するためには、地域の課題を正しく把握し、多様な主体が連携しながら長期的な視点で取り組むことが重要です。